SCSF 公益財団法人札幌がんセミナー

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財団概要

当財団のご紹介

がんは人類に永遠の病気です。これを何とかしたいとの願いから専門家同士の国際会議をはじめ、臨床的なテーマ、市民との話し合い、そして子どものがん教育など、がん解決のためのいろいろな活動をしています。

理事長のご挨拶

 がんは人類ある限り永遠の病気です。これにどのように対応していくかは時代と共に大きく変わってきました。これからも変わっていくでありましょう。

 がんの問題は最近、遺伝子レベルの研究が盛んになってきました。このテーマは当財団の「夏の国際がんシンポジウム」でも熱心に論じられております。生死にかかわる臨床的な問題も極めて重要で当財団の「冬季がんセミナー」の主要テーマになっています。

 がんは専門家だけに任せておいてすむ時代ではなくなりました。一般市民がわが身の問題として真剣に考えるべきで、当財団の「市民がつくる 春のがんセミナー」はそのための集いです。

 がんは世代を跨ぐ永遠の問題ですので次世代の子ども達への教育も大切になります。政府も「子どものがん教育」を強く推奨しており、当財団も普及活動やDVD教材の制作を通してその推進に力を入れています。

 「がんで苦しむ人を一人でも減らしたい!」。これが私達の究極の目標であり、心からの願いでもあります。

公益財団法人札幌がんセミナー
理事長  加藤 欽也

財団紹介ムービー

財団紹介

財団活動紹介

財団の主な事業内容 ~とくに財団活動の「4つの柱」について

 公益財団法人札幌がんセミナーの事業内容を簡単に報告させていただきます。大きく分けますと4つの柱に整理できると思います。

1つの柱は夏の札幌国際がんシンポジウムです。
 1981年から始まり、現在まで随分長い40年の歴史を持つ催しです。がんはどうやったら解決できるか、そのため基礎的研究のテーマを英語で議論します。

2つ目の柱は札幌冬季がんセミナーです。
 これは臨床家を対象にした「いまがんを考える」ことをテーマにした会です。その成果を臨床の現場に生かしていただきたい願いでやっております。1987年から始まり35年の歴史があります。
 以上各々夏と冬の2つの事業は順調に経緯し、すでに軌道に乗っているもので、現実にがん解決の目標にむかって一定の成果をあげてきたと考えております。

3つ目の柱は春のがんセミナーです。
 上記の夏と冬の事業は基礎研究者とか医療関係者などプロの方々を対象にしたものですが、春のがんセミナーは一般市民を対象にした催しです。市民にがんに深い関心を持っていただくための企画で、2010年から始まりました。
 市民に興味を持ってもらえそうなテーマの講演会などを毎春開催するものですが、そのなかで市民の「行動変容」を促すための工夫を1つの狙いとして検討しています。がん予防の講演を聞いて実際にそれを実行してみる、という行動変容をいくらかでも確認することで、この事業に一定の成果を期待しています。

4つ目の柱は「子どもに対するがん教育」です。
 国は「がん教育」を学校で実施することを決めています。小学校ですでに始まり、中学は今年から、高校は来年からスタートします。次の世代を担う子ども達にがんを中心に健康、生命の大切さを学んで貰うのが狙いです。
① 当財団はがん教育のための補助教材を2種作りました。
 1つは小学校高学年の子どもを対象に「子どもが大人を変える」の理念のもとで4篇のDVDを制作しました(2019年)。子ども達の自発的な行動を見て親や地域の大人達が変わってくることを狙った企画です。このDVDは完成までに6~7年の時間と相当の費用を使いましたが、幸い文部科学省の選定もいただき、すでに全国に向けて配布しているところであります。
 もう1つは中学・高校向けの出前授業をして下さる人たちの参考になるような冊子(タイトルは「もっと深くがんを知るために」)を作製しました(2020年)。がんに関わるいろいろのテーマをQ & A方式でわかり易く書かれています。現在全国の関係者に配布をはじめているところです。
② インセンティブ・ファンド(やる気基金)というものを2018年から始めております。この試みはスリランカ国で健康増進のためなら「何に使ってもいい」という条件で一定額の金額を校長以下全校生徒の目前で生徒代表に手渡し、これが彼らの自発的な「やる気」を引き起こすことに非常に大きな役割を果たしたという実際の出来事に基づいています。子どもが変わることで、それを見た大人も変わる、つまり「子どもが大人を変える」ほどの大きな力になることがわかったのです。
 このような試みが日本でもできないかということで当財団は2018年から札幌市教育委員会のご理解をいただき市内の小学校を対象に実施してきました。ただ、残念ながら小学生では自発的なやる気というのを思ったほど引き出せませんでしたので、2020年度からは中学、高校にも力点を置いて進めることにしております。
 以上のインセンティブ・ファンドのような「がん教育」事業はいずれも当財団独自の事業であり、少なくとも本邦初の試みと思われます。その成果は非常に大きなものになるかと思われますので、何とか成功させたいと専心努力しているところであります。
③ 学校に「出前授業」に来てくださる講師への謝金支援事業を計画して、いま札幌市教育委員会・北海道教育委員会と詰めているところです。学校でがん教育の授業をするのに「外部からの講師を招きたいがその謝礼金が用意できないので困っている」との声をよく耳にします。そのため僅かながら金銭的なお手伝いをしようというものです。「出前授業」が広く行われることによって、子どもの「がん教育」がさらに大きく進展していくものと期待されるところです。

そのほか広報誌The Way Forwardの発行など
 以上、ご説明した4つの柱の事業内容だけでなく、広くがん研究や治療の最新トピックスをQ & A方式で一般市民にもわかり易く紹介した冊子を年2回発行し、全国に広く配布しております。ホームページでも見ることが出来ます。
 ほかにがん患者さんやご家族に対する無料の「がん相談」をやっております。いままで合計1,000件の相談をお受けしました。納得して喜んで帰られる人を見ることが事業の励みとなっております。

 

  1. 札幌国際がんシンポジウム
  2. 札幌冬季がんセミナー
  3. 市民がつくる 春のがんセミナー
  4. 学校における子どもへのがん教育
  5. 広報誌The Way Forwardの発行

財団のあゆみ

1979年、小林 博博士(現北大名誉教授)は、米カリフォルニア州サンタバーバラで開かれた冬のThe Gordon Research Conferenceに出席し、ゆったりとした日程で学問的に自由闊達に討議する会議の在り様に深く共感されました。わが国にも同様の雰囲気の中で自由にがん研究の意見交換ができる場を設立したいと考えておりましたところ、杉村 隆先生(故人・国立がんセンター名誉総長)のお勧めと、山崎武夫先生(故人・北海道医師会長)のご支援を受けて1981年夏にようやく実現の運びとなりました。

それが札幌国際がんシンポジウムの始まりでした。会議は第1回以降、毎年札幌で開催され、もう40年の歴史を持ちます。1983年には経済界、製薬業界からのご支援を受け、また大蔵省からは試験研究法人(のちに辞退)としての認可を受けました。

札幌国際がんシンポジウムは、がんの基礎研究のなかでも最も先端的な課題に焦点を絞った口頭発表とポスター発表から構成され、その会議内容の概要はCancer Research誌やCancer Science誌などにMeeting Reportとして掲載されています。

また、がんの臨床的な課題の討議も必要ということで、1987年以降は毎年、1月下旬の土曜日に、札幌冬季がんセミナーを開催しています。