SCSF 公益財団法人札幌がんセミナー

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小林 博 略歴

略歴
 1927(昭和2)年5月、札幌生まれ。札幌市立幌北小学校卒業のあと、北海道立札幌第二中学校(現札幌西高等学校)、北海道大学予科医類を経て1948年北海道大学医学部入学、1952(昭和27)年卒、北大医学部28期生。
 市立札幌病院で1年間インターンののち1953年春から北大で病理学専攻、講師のとき渡米(米国国立癌研究所、1959年~1961年)、帰国後助教授、次いで1966年2月北大教授(医学部癌研施設病理部門)。
 1983年財団法人札幌がんセミナー(現在、内閣府所管の公益財団法人)を設立。1990年日本癌学会会長。1991年北大定年とともに北大名誉教授、(公財)札幌がんセミナー理事長(2020年6月から相談役に)。
 北大定年ののち北海道医療大学教授、放送大学学園客員教授、日本がん予防学会初代理事長などを歴任。日本癌学会、日本病理学会(副会長)、日本がん予防学会、日本がん転移学会など各学会の会長を務めたあと、現在これら学会の名誉会員。

主な著作
がん関係:
「腫瘍病理学」(共編著、朝倉書店 1970年)
「腫瘍免疫学」(共編著、朝倉書店 1974年)
「医学生のための腫瘍学」(南山堂 1976年)
「Xenogenization of Tumor Cells」(英文共著 Hokkaido Medical Library Series Vol. 9, 1997)
「Xenogenization of Lymphocytes, Erythroblasts, and Tumor Cells」(英文共著 Hokkaido Medical Library Series Vol.10, 1978年)
「Immunological Xenogenization of Tumor Cells」(英文共著 Gann Monograph, 23, 1979年)
「病理学」(共編著、理工学社 1978年)
「癌と遺伝」(共編著、講談社サイエンティフィック 1981年)
「免疫腫瘍学入門」(共編著、蟹書房 1981年)
「がんとの対話」(方波見康雄氏との共編著、春秋社 1982年)
「腫瘍学」(南山堂 1984年)
「がんの予防」(岩波新書 1989年)
「上手に老いるにはA Guide to successful aging」(矢野目雅子さんとの共訳・岩波書店 1991年)
「がんの治療」(岩波新書 1993年)
「あなたはがんに負けない」(共編著、北海道新聞社 1994年)
「がんの予防・新版」(岩波新書 1999年)
「がんに挑む がんに学ぶ」(岩波書店 2000年)
「がんの健康科学」(放送大学教育振興会 2001年)
「子どもの力で がん予防―親を変え、地域を変えた日本人医師のスリランカでの健康増進活動」(小学館101新書 2011年)
「がんと感染症からみた アジア人の生と死」(公財・札幌がんセミナー 2012年)
「がんを味方にする生き方」(日経プレミアシリーズ 2014年)
「「運動」は「くすり」に勝る―がん・心筋梗塞・ロコモ・認知症の予防に」((公財)札幌がんセミナー 2014年)
「人間腫瘍学」「がんの未来学」「なぜがんと闘うのか」((公財)札幌がんセミナー 2017年)
「元気に老いてがんで逝く」「とにかく運動です」((公財)札幌がんセミナー 2018年)
「もっと深くがんを知るために」((公財)札幌がんセミナー 2020年)
「がんはほんとうに憎いですか?」((公財)札幌がんセミナー 2021年)

ロータリー関係:
「慈愛の種を播く」(自費出版 2003年)
「ロータリーの家庭奉仕Rotary begins at home」(自費出版 2003年)
「スリランカ10年」((公財)札幌がんセミナー 2009年)
「スリランカ20年」(自費出版 2021年)

随筆集:
「楡との対話」(北大図書刊行会 1986年)
「大学・がんと私」(北大図書刊行会 1991年)
「世界が研究室だった」(自費出版 2002年)
「異郷へ 異郷から」(自費出版 2015年)
「枯葉のひとりごと」(自費出版 2022年)

DVD制作:

  • がん教育のための教材=小学生向け「子どもが大人をカエル」(タバコ編、食事編、運動編、いのちと健康編の4編=(公財)札幌がんセミナーとして制作、文部科学省選定・日本医師会、北海道医師会推薦 2019年)
  • がん教育のための教材=中学・高校生・青年向け「がんを話そう。~命をもっと輝かせるために~」((公財)札幌がんセミナーとして制作、文部科学省選定・日本対がん協会推薦 2021年)
  • 「ロータリーの国際奉仕から学んだこと」(札幌北ロータリークラブ制作 2019年)

 

主な受賞

  • 北海道医師会賞(1978年)
  • 日本医師会医学賞(1986年=がん細胞の異物化に関する研究)
  • 紫綬褒章(1990年=病理学の研究と学術の進歩に寄与)
  • 日本癌学会吉田富三賞(2000年=がん細胞の異物化の研究と公財・札幌がんセミナーの創設)
  • 保健文化賞(第一生命主催、厚生労働省・NHK・朝日新聞社後援)(2008年=スリランカの小中高校における健康教育に対して)
  • 北海道大学医学部特別賞(2015年=受賞講演「がんに挑む がんに学ぶ」)
  • 北海道新聞文化賞【社会部門】(2021年=長年にわたりがんの社会的な問題解決に取り組み、全国に発信した功績)

 

よく口にした言葉

  1. 若いうちは破目をはずしてもいい。すべて思い切ってやったらよい。借金をしてでも外国に行きなさい。欧米だけでなく発展途上国とか最貧困国にも。
  2. お付き合いのご縁をいただいた全ての方々に心からの感謝(とくに私の人生でもっとも長く、もっとも親しく付き合った「伴侶」に)。
  3. 処世訓として、「いろいろあらぁな」(相手を認める)、「しゃあないな」(自制、諦める)、そうすれば「何とかならぁな」(「達観」に似たものが)。
  4.  トップに立ったときには「相手を認める、相手を褒める、相手に任せる」(人間は認められて心のゆとりを持ちます。人間は褒められてはじめて自信がつきます。任せられたことで信頼に応えようとします)。
  5.  思いついたらすぐやる。頼まれたこともすぐやる。それの出来ないときは説明責任を果たす。YES、NOをすぐ言えるように、自らの考えを普段から鍛えておく。
  6.  他人への思いやりの心。とくに弱い人、困っている人への味方の心。
  7.  人生に大事なものを集約すると3つ。健康、お金、愛。このうち1つだけしかとれないとするとどれをとりますか? 本当に1つだけですよ(健康が一番大切と思っていました。長い年月を経て答えは変わって、いまは「愛」のこころ。とくに治癒の見込みのない進行がん患者さんには「優しい思いやりの心」「愛の心」しかありません)。
  8.  「縁」を大事にしていけば「運」が開ける。そこには感謝の「恩」がある。人間が生きるもっとも大切な基本は、「愛」のこころ。すべて合わせると「愛・運・縁・恩」(つまりアイウエオ)となる。
  9.  自分で稼いだお金は、最後まで頼りにできます。裏切られることはない。お金は世のなかの「お金より大事なもの」に使うことができる。
  10.  「残る人生あと30日しかない」。いつも自分に厳しく言い聞かせる。こうすることで人生になにが大事か、大事でないかがよくわかり、一日を少しでも有意義に使うことができる。
  11.  人生の終着点は「死」。この事実にみんなあまり関心を示さない。「死」とか「死に方」を、普段から日常の会話のなかで話題にしてもいいんじゃないかな。「死」を存分に語り合うことで、よりよい「生」を創っていける。
  12.  人間の個体としての「死」は、「永劫の世界に消えていくこと」。でも「生まれる前に戻るところがある」と受けとめれば、気がいくらか楽になる。
  13.  すべて天命、生まれてきたのも天命。いつあの世に逝くかも天命。最善は尽くすが、あとはすべて天命。

 

大切にした格言、名言

  1. 「千里の道も一歩から」(やってみなければわからない。理屈は好まず、ビジョンよりアクション、最後までやり遂げる)。
  2. 「汝、驕るなかれ闇に問え」(書き主不明。大学の講義室の黒板にチョークで大きく書かれていた。「常に謙虚であれ」ということか)。
  3. 「幸せは他人を助けること」(Happiness is helping others=国際ロータリー1992~1993年会長クリフォード・ダクターマンさんの言葉)。
  4. ロータリー2002~2003年会長のビチャイ・ラタクルさんの言葉)。

 

小林 博 略歴

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