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がんQ&A

がんの未来

がんの未来

がん登録のお話

  現在、日本においてがんに罹った人の数は、どのような仕組みで把握されているのか教えて下さい。

    日本では、がんに罹った人の数(罹患数と言います)は全国がん登録という仕組みを使って数えられています。2016年から開始された全国がん登録は、国が主体となり、がんと診断されたすべての人のデータを集計・分析する新しい仕組みです。全国がん登録が開始されたことにより、日本にどれくらいのがん患者がいるのか、どのような特徴を有しているのかを、初めて把握することができるようになりました。では、2016年以前はどのように把握していたかというと、地域がん登録という仕組みが都道府県単位で用いられていました。しかし、この仕組みはがん診療を行った全ての病院データが網羅されていなかったため、正確な罹患数の把握はできていませんでした。

    全国がん登録のデータから特に北海道の罹患数に着目すると、2016年48,567人、2017年47,327人、2018年46,634人と、減少傾向を示しているように見えます。しかし、僅か数年間のトレンドは不安定であるため単純に年間の推移を推し測ることはできません。今後、全国がん登録で得られた結果を蓄積することにより、がんの経年的な変動や特徴が明らかになり、それが効果的ながん対策を立てるための資料として利用され、その結果としてがん死亡数の減少に繋がることが期待されます。

 

 

北海道がんセンター院内がん登録室係長

齊藤真美

出典 The Way Forward No.20, 2021年

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