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がん予防

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口のなかをきれいにしておこう

 幸せを感じる時にお口を使っていることが多いとは思いませんか。
でも、そんな時に限って、「口内炎が痛くて」ということがありますよね。口の中のちょっとした病気でQOL(生活の質)は大いに低下してしまいます。歯が1本抜けてしまってもそうでしょう。
 普通の人でさえそうなのですから、ご高齢の方々、地震などで被災された方々、がんで闘病中の方々などは大変だと思います。
 ご高齢の方々にとりましては、利き手に麻痺などがありますと、歯磨きができないなど不自由があると思います。手だけでなく、ものを噛んだり飲み込んだりすることもうまくできないと、口の中の細菌が肺に入って「誤嚥性肺炎」を引き起こします。「震災関連死」の内容を見てみますと、肺炎で亡くなる方が非常に多いのです。実は、誤嚥性肺炎は口腔ケアをしっかりとすることでかなり予防できることがわかってきました。
 がんで闘病中の方々は、放射線治療や抗がん剤による治療など受けていらっしゃることと思います。そのような方々で一番辛いのは副作用としての口内炎です。放射線の影響で味覚も落ち、おまけに口の中全体が痛いと、食欲を失ってしまいます。実は、予め口腔ケアをしっかりしておくと口内炎が予防できるのです。とにかく口のなかはいつもきれいにしておきましょう。

北海道医療大学歯学部教授 千葉逸朗

(出典 The Way Forward No.14, 2018年)

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