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がん予防にコロナから学んだ1つの教訓

 新型肺炎ウイルスが猛威をふるっています。この勢いはまだまだ続くのでしょう。早く特効薬が出来ないか、予防のためのワクチンはどうかということで、世界の国々が懸命な努力を続けているようです。

   一方、インフルエンザの死亡者はワクチン、特効薬がすでに広く使われているのですが、毎年2,000~3,000人以上の方が亡くなっておられます。新型肺炎ウイルスは予防のワクチンもありませんし、予防薬・治療薬もありません。でも、基本的にコロナに共通するものはないのでしょうか?

   ごもっともなご指摘です。ワクチン、予防薬、治療薬に期待することはもちろん大切なことですが、それだけでない点、つまり生活習慣を変える「行動変容」というものの非常に大きな力がある点ではがんとコロナに共通するものがあると思います。もちろん、がんとコロナとは急性感染症と超慢性疾患であることの違いはありますが、「行動変容の大きな力」については同じことがいえるのではないかと思います。

 がん予防に可能な限りの身近な行動変容、例えばタバコ、運動、食事、アルコール、その他など生活習慣に気を付けることで大きな成果を期待できると考えてよろしいのでないでしょうか。コロナの3密を避ける、マスク、手洗いに相当するのです。「行動変容」が大切という意味ではコロナから改めて勇気づけられ貴重な教訓を得たと思います。

 

公益財団法人札幌がんセミナー / 北海道大学名誉教授  小林 博

出典 The Way Forward No.18, 2020年

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